渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で・11』
空ノ鐘の響く惑星(ほし)で (11) (電撃文庫 (1286))
- 作者: 渡瀬草一郎,岩崎美奈子
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/07
- メディア: 文庫
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いよいよシリーズも終盤! 今回は渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で・11』(電撃文庫)です。
いよいよ決戦前夜、といった風情の巻ですね。
『あの一件』から揺れ動くリセリナの心、『神姫の妹』としての役割を思い出したウルク、そして自分の気持ちに名前を与えられずにいるフェリオ。
そうした面々の心情も面白くなってきましたが、フェリオ一行はとうとうラトロアに入国します。
いろいろな意味で決戦前夜、といった風情ですが、なんかもう、あれだよね。露骨に死亡フラグが立ってる人が何人かいますねえ……
基本的にフラグを立てたらしっかり回収することに定評のある作者なので、やっぱりそういうことなのかなあ(××と○○が△△したりとか、□□したと思われていた◎◎が■■だったりとか)。いや、でもなあ。
主人公サイドは割とやきもきさせられますが
、訪問者(ビジター)サイドもなかなか。イリスとエンジュの行く末も気になりますね。
ただ、気になることが一つ。
冒頭のシーン、ないほうがいいように思います。
ここの、ライナスティの災難が書きたかったのはわかるのですが、それによってあるシーンの緊張感が思いきり削がれてしまうのはよくないよなあ、と思います。こちらの予想を覆すのならともかく、実際、そこを読んで想像した通りの展開が次巻にあったわけで。本来、この人物のこういうシーンが描かれることによって「私、気になります!」
とならなければならないのですが、冒頭のシーンで台無しというか。よくできた作品なだけに、ここはちょっとなあ、と思ってしまいました。
ともあれ、物語は次で終わりを迎えます。その準備の巻としては、とてもよかったのではないでしょうか。
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