渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で・2』
今回の一冊は、前回取り上げた作品の続刊となる渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で・2』です。
前回、なかなか不穏な立ち上がりとなった本シリーズですが、本作はこれからの展開の布石といった一冊となっております。
十二年前の当時と、現在のライトノベル業界では多少勝手が違うように思いますが、今こういう手法を取ろうと思うと、前作が大ヒットを記録するか、一巻が相当売れなければ難しいのではないかと思います。
もちろん、慈善事業で出版しているわけではないので売り上げにはこだわっていかなければならないのですが、そこにばかりこだわっているとこういう、長期的なスパンで見ている物語が淘汰されていってしまうのではないかな、と少し気がかりではあります。
内容の感想としては、いわゆる王宮ものの王道の一つなのかな、と。もっとも、王宮ものなんてほとんど読んだことがないので、スタンダードがどういうものなのか寡聞にして知らないわけですけど(^^;)
僕は「ファンタジーが読みたい!」というリクエストを受けると、高い確率で本シリーズを薦めるのですが、その理由として、
- 完結している
- 戦記ものとして程よい長さである(といっても、十三冊ありますが)
- 文章に変な癖がない
- 当然、面白い
というようなところがあります。そのほかにも尖った魅力はないけれど、篤実なファンタジーというのはどうしても埋もれがちで、そういう作品にはできるだけたくさんの人に触れてほしいという思いもあって、本シリーズを薦めています。
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