渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で・10』
今回は渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で・10』(電撃文庫)です。
いよいよ最終章、《ラトロア訪問編》の開幕となります。
……といいつつ、まだラトロアの《ラ》の字も出てきませんけど。
嘘です。出てきます。ただ、まだラトロアにはたどり着きません。メインヒロインの一人であるウルクの故郷であるジラーハ神殿で、この巻はほとんど物語が進んでいきます。
とうとう登場しましたね! 神姫ノエル。
ウルクの姉にしてジラーハの象徴でもある彼女はいったいどんなキャラクターなのかと思っていたんですが――うん、ただの妹好きのお姉ちゃんだね。
本当なら、公の顔の神姫ノエルを描写する機会があるとよかったのですが、ここまでの展開でそれを描写する機会は残念ながらありませんでした。そのため、私の顔のノエルばかりがピックアップされてしまって、せっかくの神姫という得難い属性が活かせていないなー、という印象。いいけどね。はっちゃけおねーちゃん面白かったし。
そして、もう一人大切な登場人物が。
ラトロアからの使者であるシュナイクなる少年がジラーハにやってくることによって、フェリオたちはラトロアに行くこととなります。果たして、そこで待っているものとは――
物語もいよいよ終盤、ということで、盛り上がってきましたね。意外なあの人の再登場やラトロアの情勢など、見どころはそれなりにあるのですが、前巻の内容を考えるともう少し盛り上がりがほしかったかな、と。トータルバランスが素晴らしい作品なだけに、あえてそういう注文は付けたいところ。
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