渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で・9』
今回は渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で・9』(電撃文庫)です。
次巻までの中休み、ではないですけれど、今回は束の間の平穏が描かれた巻となっております。
とはいうものの今後の展開の鍵を握るメビウスなる人物が登場したり、彼が小さい騒動を起こしたりと、退屈はしない展開となっております。
今回の見どころといえば、なんといってもバロッサでしょう。いや~、バロッサかっこいいよね!
前巻から登場していたバロッサですが、ここからがむしろ本領発揮。そのうち書くつもりの本シリーズを総括した記事でも触れますが、個人的な強さの印象は、作中でもピカイチといったところ。そうした印象を与えているのは、その立ち居振る舞いとか柔らかい物腰とか、初登場時の不穏さとか、そういう部分も大きく影響しているように思います。これは渡瀬草一郎作品の特徴でもあるんですが、若者よりも年経た者のほうが魅力的に描かれているところも、昨今のライトノベルとは一線を画している感じ。っていうか、明らかにひいきされてるよね、バロッサ。
……ちょっと怒られたので、バロッサ以外の話もしようと思います。
今回、タートムとの戦争が終わったということもあって、お城で舞踏会が開かれるわけです。というか、話の見どころとしてはむしろ完全にここなのですが、あふれ出るバロッサへの愛がいろいろと大変なことになってしまいました。
舞踏会、と言いつつも、メインはそこに至るまでの日常と、次巻へのつなぎなので、踊ったり談笑したりというシーンはそんなに出てきません。しかしながら、メビウスという新キャラクターの不気味さを演出する意味ではうってつけの舞台だったのかな、と感じます。
しかし、仮面をつけた方々というのは、なにか妙にいわくありげですね。
《仮面をつけた方々》
今回登場したメビウスも、なにやらいろいろと因縁がありそうな様子。物語も終盤に向かっていますが、一体どこでその謎が解き明かされるのでしょうか。
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