高田高史『QED~百人一首の呪~』
この事件の謎は、百人一首に隠されている
というわけで今回は、高田高史『QED~百人一首の呪~』(講談社文庫)です。
超がつくほどの変人にして博覧強記の薬剤師、桑原崇が探偵役を務める『QED』シリーズの記念すべき一作目が本作となります。
あるとき、百人一首マニアとして知られていた会社社長が殺された。その事件を通して薬剤師の桑原崇は、百人一首に秘められた謎に挑んでいく――というのがあらすじなんですが、メインは殺人事件そのものよりも、百人一首の謎です。
以前、どこかでも触れたような気がしますが(触れなかったかもしれませんが)、こういう歴史ミステリが好きな身としては、イイネ(大声)!
と言わざるをえません。
殺人事件のほうは、百人一首の謎に対する導入のような扱いなのですが、そちらもしっかりと百人一首と関連付けられていて好感が持てます(事件のキモの部分は正直首をかしげざるをえませんでしたが(^^;))。
最近はテレビなんかでもこういう、歴史の謎を追う! みたいな特番が増えて個人的にはうれしい限りなんですが、そうした番組などはただ謎を検証するだけなのに対し、本作はしっかりと物語に落とし込んでいることもいいと思いました。