ヘレン・マクロイ『ささやく真実』
今回はヘレン・マクロイ『ささやく真実』(創元推理文庫)です。
以前から気になっていた作家なのですが、今回初読ということで。はてさて。
いいわね、これ、いいわよ。
基本的な線としてはサスペンスなのですが、事実と事実をつなげるロジック、様々な思いが交錯する人間模様。どこをとっても隙のない構成には感服しました。これが一世紀近くも前に書かれているだと……?
あと、個人的に嬉しかったのは、翻訳が読みやすいというところですね。
僕はそれほど海外の小説を読まないので、翻訳の文体があまり得意ではなかったのですが、これはかなりすらすらと読めました。僕みたいに「翻訳ものは苦手なんだけど……」という人にはうってつけの一冊だと思います。