パット・マガー『探偵を捜せ!』
一体、誰が探偵なのだろう?
というわけで今回は、パット・マガー『探偵を捜せ!』(創元推理文庫)です。
初顔の作家ですね。
どこかで「この作家いいよ!」と小耳にはさんだので、見かけ次第手に入れてみたわけですが……いいですねえ、これ。好みですわ。
病床の夫を殺そうともくろむ妻、マーゴット。しかし夫はこういった「お前を告発するためにロッキー・ロードスという探偵を呼んだ」
果たしてロッキー・ロードスは誰なのか。マーゴットは逃げおおせることができるのか……
というのが本書の内容です。
通常のミステリであれば、事件が起こり→犯人を捜す、という流れになるわけですが、本書は事件の捜査をする探偵を捜していく、という手法がとられています。そこが新鮮だったわけですが、処理のしかたが個人的には微妙だったかなー、と。タイトルから想像するに、もっとロジカルな展開になるかと思ったのですが、結果としてはこんな感じに着地してしまったわけで。
ラストシーンは個人的には結構好きで、いい余韻が残るとは思うのですが、それだけに惜しかった、と感じました。