メガネストの読書日記

眼鏡好きのメガネストが、読書日記をつける

バカリズム『架空OL日記』

 

架空OL日記 1 (小学館文庫)

架空OL日記 1 (小学館文庫)

 
架空OL日記 2 (小学館文庫)

架空OL日記 2 (小学館文庫)

 

 ごっぽり食べた。

 

 というわけで今回は、バカリズム『架空OL日記』(小学館文庫)です。

 お笑い芸人であり、ドラマの脚本なども手掛けるバカリズムが銀行勤めのOLになりすまして綴ったブログを二冊にまとめたのが、本作となります。芸人としてはトツギーノ


面白い バカリズム トツギーノ

 が有名でしょうか。

 解説でいとうせいこうも触れていますが、基本的には『やおい』(山なし、オチなし、意味なし、という本来の意味で。トマト抜きではありません)で、時々くすっとくるような絶妙なバランスで淡々と日常が綴られていきます。

 今回、実は五回目くらいの再読なのですが、初読時は、

「ここの職場、面白い人が多過ぎだろ……」

 と思ったのですが、冷静になって考えてみれば、どこもこんなものなのかもしれないですね。知り合いをランダムに何人か抽出してみても、みんなどこかおかしみのあるやつらばかりでした

 要するに、そこにいる人物をどういう風に書くか、という問題で、バカリズムは持ち前の観察力で、ありふれた人たちを実に魅力的に描いています。

 あと、この本のずるいところは、バカリズムの声が脳内再生余裕なところだと思います。そのせいで時折、文章がバカリズムの声で再生されて、絶妙にツボを突かれます。馬鹿らしい読書をしたいときにうってつけの一冊だと思います。二分冊ですが。