メガネストの読書日記

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ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』

 

火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫)

火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

  ということで今回は、ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』(ハヤカワ・ミステリ文庫)です。

7・5/10点

 

 三冊目のカーですね。相変わらず素敵な怪奇小説です。

 ミステリとしては、まあ……うん、みたいな感想になるんですが、本作は怪奇小説として楽しみたいですね。怪しげな雰囲気とオカルティズム、それらが舞台を暗く彩っています。文体がやや合わなかったのか僕は目が滑りがちでしたが、この文体がまた世界観をうまく盛り立てているようにも思います。

 個人的には19章のある一説がとても好きで、ここが本作のハイライトであるとさえ感じるのですが、これがラストをより鮮やかにしているように思います。