ウィリアム・L・デアンドリア『ホッグ連続殺人』
- 作者: ウィリアム・L.デアンドリア,William L. DeAndrea,真崎義博
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 文庫
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というわけで今回は、ウィリアム・L・デアンドリア『ホッグ連続殺人』(ハヤカワ・ミステリ文庫)です。
点数:8/10点
いやー、面白かったです。あんまり語るとネタバレになりそうなので(なったら反転しておきますが)控えめにしたいと思います。
ジャネットがかわいいですね(大声)
……メガネにつられて取り乱しました。
気を取り直して、感想に移ろうかと思います。
メインの謎もさることながら、そこにたどり着くまでの道筋がよかったですね。肝心の推理のプロセスはやや飛躍が見られる気もしますが、おおむね満足しました。
また、本作は随所に言葉遊びが見られ、解説によるとこれがこの作家の特徴のようなのですが、それがしっかりと作品に活きているのもいいと思いました。そうだよなあ、これが言葉で遊ぶってことなんだよなあ。
本作は序盤は割と静かに展開していくんですが、それがまた《HOG》という姿の見えない犯人に対する想像をかき立てられて、後半の展開につながっていると思うのです。
正直、事故を人の手によるものと錯覚させるというメインのトリック(と言っていいかわかりませんが、便宜上)は中盤来で「そうかな」と思うのですが、この作品で語られるべきは、《HOG》それ自体ではなくて《HOG》によって起こったこととその裏側にあるものがとみに魅力的に語られていると、そう思うわけです。
読んで損はしない、そんな一冊でした。