望月拓海『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』
というわけで今回は、望月拓海『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』(講談社タイガ)です。
最近ブログの更新をおさぼり気味だったので、ここらで仕切り直しということでね。
第54回メフィスト賞受賞作、ということで。
『すべての伏線が、愛――』というキャッチコピーが鮮烈な本作ですが、すでに四刷なんですってね。売れてるなあ。
感想なんですが、僕はそこまで好みではないかなあ、という感じ。
キャッチコピーからもなんとなく想像がつくかと思うのですが、伏線(個人的に本作で用いられているのは『布石』だと思うのですが、まあそれはいいでしょう)が張られ、それが『愛』につながっていくという形をとっているので、物語がきれいに収束していきます。個人的にはそういう物語が苦手(うまくいきすぎているなあ、と感じるため)なので、肌に合わなかった部分はあると思います。
しかしながら、文体が簡明で内容と併せてリーダビリティが高く、「なにか本を読みたいんだけれど、どんな本がいいかなあ?」と悩んでいる人にはうってつけの一冊となっているかと思います。