メガネストの読書日記

眼鏡好きのメガネストが、読書日記をつける

ヘレン・マクロイ『幽霊の2/3』

 

幽霊の2/3 (創元推理文庫)

幽霊の2/3 (創元推理文庫)

 

  というわけで今回はヘレン・マクロイ『幽霊の2/3』(創元推理文庫です。

 マクロイは二冊目なんですが、今回も面白かったです。

 タイトルの《幽霊の2/3》というのは簡単なゲームの名前なんですが(僕は寡聞にして知りませんでしたが)、そのゲームの最中に高名な作家が毒殺されます。

 犯人は誰なのか? そして、いかにして被害者に毒を盛ったのか? というところから話がスタートして、物語は意外な方向に発展していきます。

 起点の謎、それ自体が魅力的でいかなる解決を見るのか気になるのに、その先がしっかりと用意されているのが嬉しいですね。起点の謎はあくまでも入り口、その先に本作の縦軸ともいえる大きな謎が横たわっていて、ページをめくる手が止まりません。文章のリーダビリティは高いとは言えないと思うのですが、魅力的な謎と物語の展開力でぐいぐい読ませてくれます。みんな、マクロイを読もう