川上未映子『きみは赤ちゃん』
こんにちは、赤ちゃん
ということで今回は、川上未映子『きみは赤ちゃん』(文春文庫)です。
『乳と卵』で芥川賞を受賞した作家川上未映子が妊娠し、子供を産んで、保育園へと入園させるまでをまとめたエッセイとなります。
男の僕から言わせてもらえば、こういう母親の心理というのはやはり理解の及ばないところにあって、想像することさえ難しいわけです。それが本書では川上未映子独特の言語感で文章になっているため、母親の心理を知るにはいいのではないかと思います。
僕は以前から川上未映子のエッセイを読んでいたわけですが、そのころの印象と、この本から受ける印象は驚くほど違います。妊娠、出産という経験はそれだけ大きなものである、ということなのでしょう。ここも、親でなく、母でない僕には想像しづらいところだったので、面白く読みました。