佐川芳枝『寿司屋のかみさんうちあけ話』
寿司屋のかみさんが、ぶっちゃけます
ということで今回は、佐川芳枝「寿司屋のかみさんうちあけ話」(講談社文庫)です。
その昔、僕がまだメガネっ子ではなかったころのことなのですが、よく図書館に通っていました。実のところ、当時はそれほど本が好きなわけではなかったのですが、図鑑やら写真集やらを眺めるのは大好きだったのです。
そんな中、色々な棚を眺めているうちに、ある本に出会いました。本の名は『寿司屋のかみさんうちあけ話』――そう、この本です。
それから幾星霜。
当時の記憶力に乏しかった僕は、本書の書名以外の情報をすっぱりと忘れてしまいました。長じてからこの本を手元に置いておきたいと思うようになったのですが、署名だけではブックオフ的な場所で見つけることもできず……
それで、いよいよと思い立ってネット通販で購入してみました。いやあ、便利ですね。
基本的には足で本を集めたいと思うのですが、やはりこういうものも利用しないとね。
とまあ、余談はここまでにして、そろそろ感想に行こうと思います。
本書は、東京は東中野にある名登里寿司のおかみである佐川芳枝さんによる、寿司屋の裏側を綴ったエッセイとなります。
文章は、小学生の鼻たれ小僧が読めるくらいなので難しくありません。シンプルで明瞭に寿司屋の裏側が綴られています。しかしそれがかえって佐川さんの人柄を表しているようで、なかなかにいいんじゃないでしょうか。