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メガネストの読書日記

眼鏡好きのメガネストが、読書日記をつける

村田喜代子『縦横無尽の文章レッスン』

 

縦横無尽の文章レッスン (朝日文庫)

縦横無尽の文章レッスン (朝日文庫)

 

 文章にとって大切なのは、読むことか、あるいは書くことか

 

ということで今回は、村田喜代子『縦横無尽の文章レッスン』(朝日文庫です。

 本書は、作家の村田喜代子がある地方大学で受け持った講座を一冊の本にまとめたものです。

 以前どこかで、村田喜代子が大学の講義を受け持っているという話を耳にして以来、一体どんな講義が開かれているのだろう、と思っていつつも、さすがに聴講に行くことができない(僕の住んでいる場所からはびっくりするくらい遠いのです)ので、その内容を知ることはできなかったのですが、本書を購入したことによって、その一端を知ることができました。

 内容はバラエティに富んでいますね。扱う文章が多彩で、小学生の作文から、ゴリゴリの理系文章まで、更には前衛的な文章も……といった感じで、これを独力で網羅するのはなかなか難しいでしょう。しかし、本書を読めばそれぞれの講義のテーマと、その題材を照らし合わせてどのようなことが語られているのかを感じつつ、それぞれの本に手を伸ばす機会も与えられるという、個人的には一石二鳥感の強い本でした。

 また、講義の話の合間にちょこちょこと日々のエピソードが挿入されるのもいいですね。村田喜代子の小説以外の文章って、実はこれが初めてだったので、なんだか新鮮でした。

 そして、最後の『最後の授業・創作必携』は一読の価値があるでしょう。癖と個性は違うもので、それはしっかりと認識していなければならない、と強く感じさせられました。