メガネストの読書日記

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穂村弘『蚊がいる』

 

蚊がいる (角川文庫)

蚊がいる (角川文庫)

 

 ふわふわ人間が感じる、周囲とのズレ

 

 というわけで今回は、穂村弘『蚊がいる』(角川文庫)です。

 穂村弘といえば、以前スターバックスを題材にしたあれなエッセイとか、ご飯に関する(関するとは言ってない)あれなエッセイなんかを取り上げましたが、今回もなかなかの仕上がりです。

 穂村弘の著作を読んでいると、恐ろしく繊細で、些細なことを気にする人だなあ、と思うのですが、エッセイがうまい人というのは、例外なくこうした些細なことを拡大するのがうまいと感じます。

 巻末にはお笑い芸人の又吉直樹氏との対談が掲載されていて、これまた面白いんですが、穂村弘の真骨頂はやはり、一人でなにかについて語っているときだなあ、と感じます。

 本書でのお薦めは『カニミソの人』、『納豆とブラジャー』、『漁師のプリン』あたりでしょうか。

 お気に入りを拾い読みするもよし、半身浴のお供にするもよし、カフェで読んでニヤニヤして、周囲に気持ち悪がられるのもよし(僕ですけど)。好き好きに、ゆるく楽しめるという意味で、エッセイはやはりいいですね。

 

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