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メガネストの読書日記

眼鏡好きのメガネストが、読書日記をつける

『ミステリーズ!』vol.81感想(泡坂妻夫『酔象秘曲』)

 

ミステリーズ!  vol.81

ミステリーズ! vol.81

 

  ここまでおおよそ百の本の感想を書いてきたと思うんですが、ここらで少し趣向を変えてみようかな、と思うのです。

 というわけで今回は、今月発売したミステリーズ!』の81号について感想を書きたいと思います。

 

 僕は普段、雑誌をあまり買わないのですが、今回はさる理由から本誌を購入することにしました。というのも、泡坂妻夫(大好き)の未発表短編が一挙掲載されるとのことで、これは買わねば! と思い立った次第。

 で、買うことを決めたのはいいのですが、この雑誌、僕の地元には全然置いてませんでした。それなりに大きな本屋を五、六軒回ったんですが、全然見つけられず……結局所用で出た際に購入いたしました。

 

 という話はさておき、感想でも。

やったー!!

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泡坂妻夫の短編『酔象秘曲』を読むことができた感想は、とりあえずこれに尽きるでしょう。

 未発表短編を構想ノートから発掘される、というのが作者的にどうなの、という気は少ししますが(帰宅したら隠していたはずのエッチな本が机の上に並べられていた時のような気持ちでしょうか)、やはり読者としてはうれしいもの。僕も当然、嬉しいです

 本作は泡坂妻夫の構想ノートから田中正幸が文字起こしをして掲載に至ったものだそうですが、その苦心に見合ったものが読めるかと思います。しかし、犯人の動機に関しては似た話をどこかで読んだことがあるような……まあ、この話で重要なのは動機ではないので、そこはどうでもいい気もします。

 タイトルにもなっている『酔象』というのは、その昔楽しまれていた大将棋で用いる駒で、真後ろに動かすことができない(詳しくは図を参照してください)駒で、本作はその駒を用いた酔象将棋を楽しんでいた面々が、ある旅館に集まったことから始まります。

f:id:mahiro_megane:20170219184518j:plain酔象の動き方

 状況はともかく、論理の組み立てにやや無理がある感じもしますが、とにかく雰囲気がいい。読んだあとに素晴らしい満足感がありました。

 なお、本作は長編として形になる構想もあったようですが、そちらが果たしてどのような作品になっていたのか……いろいろ想像してしまいます。

 

 なお、本誌には米澤穂信福岡県大刀洗市で行った公演の模様もレポートとしてまとめられていて、個人的にはありがたかったです。