メガネストの読書日記

眼鏡好きのメガネストが、読書日記をつける

エリザベス・ギルバート『食べて、祈って、恋をして』

 

食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探究の書 (RHブックス・プラス)

食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探究の書 (RHブックス・プラス)

 

 旅の果てには、いったい何があるのか。

 

 というわけで今回は、エリザベス・ギルバート『食べて、祈って、恋をして』(RHブックス・プラス)です。 

 今、世界で最も短編のうまい作家ともいわれるエリザベス・ギルバートが、ある理由から一年をかけてイタリア、インド、インドネシアを旅してまわった記録が、本書となります。エッセイというか、紀行文というか、そんな感じのものだと思えばいいでしょう。

 本書はタイトルの通り、第一部のイタリア編では食べて、第二部のインド編では祈り、そして第三部のインドネシア編では恋をするという構成になっていて、個人的には第一部の内容に重きを置いていたので、ちょっと期待したのとは違った感じ。

 内容ですが、エリザベス・ギルバートの宗教観やスピリチュアルなものに対する考え方が比較的はっきり出ていて、良くも悪くも日本人にはあまり書けないような内容だなあ、という感じ。

 ただ、それだけに面白く読むことができましたし、ある事柄が破壊され、再生していく様を精緻に描き出していたようにも思います。

 そして、特筆すべきは文章でしょう。エッセイとはいえ随所にセンスを感じる文章がちりばめられていて、読んでいて非常に面白い。エッセイとしてはかなりボリュームがあって、気軽な読書とはいかないかもしれませんが、ぜひとも一度読んでほしい本です。