伏瀬『転生したらスライムだった件⑥』
お前だけは、許さない。
というわけで今回は、伏瀬『転生したらスライムだった件⑥』(GCノベルズ)です。
四巻から続く《テンペスト騒乱》編のラストを飾る本作では、リムルはいよいよ魔王となるべく戦いに臨みます。しかし、いかんせん緊張感が薄いですね。
というのも、どういうわけかこの巻でもしっかりがっつり街づくり(というか、国づくり)をしているのです。
もちろん、そういう部分がこの作品の売りではあるのですが、この巻に関して言えば、街づくりパートは最小限に抑えたほうがよかったように思うのです。
二冊(四巻ラストからなので、実質的には一冊とちょっとなのですが)に亘って繰り広げてきた、テンペストを襲った異変の決着をつける話だったわけですから、ここは緊張感を維持したままクレイマンとの戦いを終えてほしかったところ。
この巻より登場した新しい国家も、これからの展開においては重要なのですが、正直構成の甘さを感じざるをえない部分があります。
ただ、クレイマンとの対決はなかなか良かったですね。彼の小者ぶりが非常によく書けているように思います。こういうキャラ、嫌いじゃないです。
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