本谷有希子『グ、ア、ム』
ようやっと遊びに来たグアムが大嵐なのは、誰のせいやねん
というわけで、今回は本谷有希子『グ、ア、ム』(新潮文庫)です。
どうにもそりの合わない一家の長女、次女、母親がグアムで険悪に過ごす話、とすると一行で終わってしまうので、もう少し詳しく書こうと思います。
一言でまとめると、割と好き嫌いの分かれる作品だな、という印象。
作中の長女のようにロストジェネレーション世代にはよく響く物語であるように思うのですが、こういう感覚が実感として薄い人にはピンとこないかもしれません。
僕はどちらかというと次女に共感した口なのですが、「この子、よく我慢しとるなあ」というのが正直な感想。僕なら単独行動するかそもそも旅行に参加しないんじゃないかと思います。
とはいえ、基本的にはコメディっぽく進んでいくので、映像を想像しながら読むと楽しいと思います。